2009年08月30日

うみね考さ2

『うみねこのなく頃に』EP5終了(読了?)。

で、『うみねこ』世界の構造やらルールやらについてまたちょっと思いついたことがあるので書いてみる。
(※以下、EP5の重要なネタバレを含みます。伏字にもしてません。注意)


















さて、『うみねこ』の世界観は、どうやら3層構造になっているらしいことがわかる。

1つ目が、六軒島を舞台に惨劇が起こる世界(「最下層」と呼ぶ)。
2つ目が、最下層を俯瞰しながら、バトラとベアトリーチェが議論している世界(「中間層」と呼ぶ)
3つ目が、ラムダやベルンが存在する、中間層を見下ろしている世界(「最上層」と呼ぶ)

ベアトも「最上層」に行くことはでき、そしてどうやら、「最上層」にいる魔女たちと、
彼女たちに認められた者が、「ゲームマスター」とやらになることができるようだ。

で、EP5の裏お茶会にて、六軒島の「本当の真実」に辿り着いたバトラは、
本来「ゲームマスター」にしか使えないはずの「黄金の真実」を振るい、
ラムダから「魔術師」として認められた。
つまりバトラも「最上層」に達したらしい。


この構造についてぼんやり考えていたら。


結局これは、「物語」と「読者」と「作者」の関係なのではないか、と感じた。


つまり、

最下層:「物語」の世界
     「ゲームマスター」=「作者」によって作られた(記述された)世界。
     ただ1つの「本当の真実」、すなわち「結末」が訪れるまで、いくつもの「真実」が共存できる。

中間層:「読者」の世界
     「作者」が記述した「物語(カケラ)」を読むことができる世界。
     ただし、「結末」を知らない「読者」に対して、「作者」は「結末」とは違う「真実」を読ませることができる。

最上層:「作者」の世界
     「物語」を紡ぐことが可能となる世界。
     「作者」は自分が紡いだ「物語」の「結末」をすべて知っているが、それを別の「真実(可能性)」で覆い隠すこともできる。

ということではないかと。

「物語」が本格ミステリーだとするならば。
「物語」の「結末」を知った「読者」は、その「物語」においては「作者」と同等の立場になる。
ゆえに、バトラは魔術師となれたのではないか。


そして、この構造を前提に考えると、作中で飛び交う「色つきの真実」たちは、以下のように解釈できる。

青き真実:「物語」の「結末」を知らない「読者」が否定できない事象
赤き真実:『「結末」を知っている「読者」(=「作者」)であっても否定できない』ことが論理的に証明できる事象
黄金の真実:「作者」が語ったこと。小説で言う「三人称の地の文」「神の視点の文」のこと。


うみねこまとめWikiにあるように、普通、「自分が語ることは絶対に間違っていないし勘違いもしていない」と言い切れるニンゲンはいない。

しかし、その対象が「物語(ミステリー)」に限定され、そのニンゲンが「結末」までのすべてを知っているならば。
その人間は、「証拠も証明も、議論の余地も必要ない、絶対的な真実」を語れるのではないだろうか?
だって、「結末」を知っているのだから。これから何が起きてどうなるのかを知っているのだから。


ということで、この考え方に基づいていけば、どの赤字が信用できて、どれが胡散臭いのかが判定できそうだなあ、と。


そこまで思いつけたのはいいんだが、しかし読み直すの面倒くせえ・・・
まあ、EP6の発売までまだしばらくあるし、ゆっくり読んでくか。


2009/8/31 訂正
よく考えたら、読み直すまでもなく「赤き真実」は嘘ではないことが確定する。
「結末」を知っている「読者」にはその言葉の真偽が判定できるから。

で、そうすると、
・ノックス十戒は守られている
・探偵権限、探偵の能力は間違いなく機能している
・バトラはEP4まで「探偵」だった

ことなども確定する。

ノックス十戒があるにも関わらず、EP4までのバトラが「赤き真実」を根拠に推理を展開できたのは、
それらが「作者」であるベアトリーチェから与えられたものだったから?

つまり、
・探偵は「作者」から与えられた「赤き真実」については証明なく推理の根拠にできる
・しかし、「作者」以外の「読者」から与えられた「赤き真実」を使う場合は、なぜその「真実」に至ったのか、論理的に証明しなければならない
ということでは?

これらに基づいて、EP4まででバトラが見聞きしたことと「赤き真実」をもとに話を組み立てていけば、
「本当の真実」に至れるのでは?

あー、結局読み直す必要はあるのか・・・うん、まあ、ちょっとずつやってこう。


さらに補足。ベルンの手紙で言及されていたルールXYZについて。

世界の構造が上記のようなものであると仮定して、ルールXYZを考えてみると、こんな感じになるのではないかと。

ルールX:「物語」の「結末」はすでに確定している
      (1986年10月5日24時を迎えた時点で誰が死に、誰が生き残ったのか、という事実は変えられない)

ルールY:しかし、「なぜ」その「結末」に至ったのか、その「なぜ」は明らかにされておらず、変えることができる
     (ひぐらしにおいて、鷹野三四がすべての「結末」を「オヤシロさまのせい」にしようとしていたように

ルールZ:その「なぜ」を変えるため、「作者」たる存在は「物語」の描写を別の「真実」で上書きすることができる

ネットで拾ってきた説に多分に影響されてるが、けっこういい線いってるんじゃないかなあ、とは思う。
これで間違ってたら超恥ずかしいな・・・

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Posted by t-sa at 17:47│Comments(0)ゲーム
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