2009年08月23日

うみね考察

まだep5の途中なんだが。

碑文の謎についてちょっと思いついたので、ブログに晒してみる(2chに書き込む勇気はない)。

※以下、『うみねこのなく頃に』を知らない人には意味不明、
知っている人にもネタバレ満載の文章が延々と続きます。しかもノリはMMRです。長文ゆえ伏字にもしていないのでご注意を。















さて、『うみねこ』内でも最大の謎の1つである、金蔵の碑文

この碑文の解釈を1つ思いついたので書いてみる。ざっとまとめスレとか見た限りでは似たような説も出てなかったし。


本編中でのやり取りから、碑文を解読するためには金蔵が少年時代に過ごした「故郷」がどこであるかを特定するかが重要であることがわかる。

というわけで、まずはその「故郷」の推測から。

そこで、作中からわかる金蔵の人となりをまとめてみると、

・偏屈、頑固、厳格
・西洋(ヨーロッパ)かぶれ(子供に外国風の名前をつける、アブサンを愛飲する、チェスが好き、黒魔術に傾倒している)
・英語に堪能
・ギャンブルを好む(リスクを背負うことで魔法を実現させたと言っている)

というような感じ。

これらの素養が少年時代を過ごした「故郷」の影響によって培われた、と考えると、
金蔵の「故郷」はおそらくイギリスではないかと思われる(典型的なイギリスの男のイメージが真面目・頑固で賭け好きで、かつイギリスのインテリはオカルトにかぶれることが多いらしいから)。


というわけで、仮定その①:“金蔵の「故郷」はイギリスである”


では次は、その「故郷」を貫く「鮎の川」について。

「鮎の川」に関するヒントらしきものをまとめると、

・実際の「川」であるとは言えない(なにかの比喩である可能性が高い)
・「鮎の」という言葉がなくても構わないが、謎を解くヒントにはなる
・鮎は淡水魚だが、稚魚のときにいったん海に出て、また川に戻ってくる魚である

てなところ。これらのヒントを頭の片隅に置いておく。

で。

ep3で霧江が語っていたように、この碑文は、
「故郷を出発して川を下り」
「黄金郷の鍵を見つけ」
「その鍵をもって黄金郷へ至り」
「そこで4つの宝を手にする」
という4つのパートに分けられるが、一貫して、黄金郷(宝)を探す者は「旅」をしなければならないらしい(川を下る、というのも旅だと考えられる)。

そこで、頭の片隅にさらに「旅」というキーワードを追加しておく。

さて、先ほどの仮定①から、「故郷」はイギリスであるとした。では「旅」の目的地である「黄金郷」はどこか?

ここで、作中で何度か示されたように、第十の晩のときのみ、「黄金郷」が「黄金の郷」と表現されていたことに注目する。

なぜ「黄金郷」ではなく「黄金の郷」なのか?

ep5では、楼座が「黄金の郷」を「黄金の京」と読み換えていた。
これを「黄金のミヤコ」と読んでみる。

「黄金の都」。なんだかひっかかる。

というわけで思い切ってもうちょっと範囲を拡大して、「黄金の国」と言ってみる。

黄金の国。なんだか聞き覚えが。

そう、「ジパング」ですね。

マルコ・ポーロが『東方見聞録』に書き記した日本の姿。じゃあ「黄金郷」は日本か?

そうではない。「ジパング」は『東方見聞録』の中にしか存在しない架空の国。つまりマルコ・ポーロが創りだした国であると言える。
(2009/8/24 補足。また、TIPSの「肖像画の碑文」には記されていないが、肖像画そのもののタイトルは「我が最愛の魔女ベアトリーチェ」。このタイトルが、碑文が刻まれたプレートの一番上に載せられている。このタイトルもまた碑文の1部であると考えるなら、碑文の最初と最後の単語は同じになる。このことから、碑文が「黄金郷への旅」を象徴するもので、そのスタート地点が「黄金郷の碑文を書き記した金蔵の故郷」であるならば、ゴール地点である「黄金郷」もまた、「黄金(あるいは黄金郷)に関する何かを書き記した人物の故郷」であると考えることもできる。また、一般的な「日本」=「ジパング」の考え方からしても、金蔵の生まれ「故郷」である「日本」と「黄金郷」である「ジパング」が一致する)

では、そのマルコ・ポーロの出身地は?

ヴェネツィアです。

「ジパング」を生み出したマルコ・ポーロの出身地、ヴェネツィアを「黄金郷」と考えて、
そのヴェネツィアと「故郷」イギリスを「旅」で結ぶ「鮎の川」に相当するものが、何かないものか。

あります。たぶん誰もが一度は聞いたことがあるであろうものが。

オリエント急行です(2009/8/24 補足。ep5でヱリカがやたら「灰色の脳細胞」を連呼してたのは、「オリエント急行の殺人」を連想させるためのヒントか?)。

オリエント急行と名のつく列車の中でも特に有名なものの1つ、「ヴェニス・シンプロン・オリエント・エクスプレス(VSOE)」は、1982年からロンドン-ヴェネツィア間を運行しています。

当然、その間ではドーバー海峡を渡るので、「いったん海に出てから戻ってくる」わけです。
これは「鮎」のヒントにも符号します。


というわけで、仮定その②:“「鮎の川」とはVSOEのことである”


では、仮定その①、②にもとづいて「故郷」イギリスからVSOEの路線を下っていくと、「里」はあるのか?

あります。VSOEの停車駅の1つに、「巴“里”(パリ)」が。

では、そのパリに「二人が口にし岸」は?

この部分はネットから拾ってきた説ですが、やはり「セーヌ河岸(「せーの」の岸、あるいは2人が「同時に」口にすることから「same(セイム)」の岸?)」に位置する「シテ島」のことではないかと。
フランス語の「シテ(cite)」は英語の「city(市、街)」に対応するそうなので、「里」という言葉にも符号します。

で、さらにこれもネットで見た説ですが、そのシテ島の中で、「鍵が眠る」場所、となると、
やはり「ノートルダム大聖堂」が一番しっくりくるのではないかと。

世に「大聖堂」はたくさんありそうなので、「ノートルダム」のみを抽出します(だんだん論理が怪しくなってきたな・・・)。


というわけで、仮定その③:“「鍵」は「ノートルダム」である”


さて、これで「鍵」も(一応は)手に入ったので、いよいよ「黄金郷」に向けて旅立ちます。


では、どうやって「旅」をするのか(2009/8/24 補足。「鍵」を手に入れた後、すでに「故郷」を出発して「川を下って」いるにも関わらず、わざわざ「以下に従いて黄金郷へ旅立つべし」と書いているのは、「鍵」を手に入れた後はこれまでとは別の解読方法を用いよ、という示唆ではないか?)。

仮定その①より、「故郷」、すなわちスタート地点はイギリス。

イギリスは、ルイス・キャロルに代表される、ユーモアや言葉遊びで有名な国です。


というわけで、作中でも示唆されていましたが、仮定その④:“黄金郷への「旅」とは「アナグラムなどの言葉遊び」である”


これに基づいて「旅」をしていきます。

さて、スタート地点であるイギリスは、一般的に、英語でthe United Kingdomと呼ばれます。

UNITEDKINGDOM。13文字です。ep5でスタート地点の文字数は11文字か13文字の可能性が高いことが示唆されたので、これを最初の文字列とします(2009/8/24 補足。目的地である「黄金郷」=「ジパング」であるなら、スタート地点も「国の名前」であるのが妥当なように思われる)。

スタートの文字列がアルファベットなので、「鍵」の「ノートルダム」もアルファベットに変換すると、
NOTRE DAME
になります。

ここでちょっと詰まりました。「鍵」が6文字じゃなくなっちゃったじゃん、と。

でも、第1の晩の碑文を読み直してみると、
第一の晩に、鍵の選びし6人を生贄に捧げよ。

と書いてあるだけです。
「6つの鍵」ではありません。あくまで「鍵に選ばれたのが6人」であるだけです。

なのでものは試しに、最初の文字列UNITEDKINGDOMと、
NOTREDAMEに含まれる文字で、重複しているものを挙げてみると、

N O T E D M

になります。6つです。
というわけで、この6つを「生贄に捧げ」て、UNITEDKINGDOMから(文字1種につき1つ)取り除きます。

すると「残されし者」は
UIKINGD
になります。


では第2の晩、
第二の晩に、残されし者は寄り添う二人を引き裂け。

に行きます。

ここで、「引き裂け」という言葉に注目します。

碑文の他の物騒な箇所を見てみると、
「生贄に捧げよ」「殺せ」「誰も生き残れはしない」
と、どう考えても「死ぬ」ことが明示されています。

しかし、「引き裂け」は違います。死んでるのかどうかわかりません。

そこで第2の晩の文章を、「残された文字列のうち、特定の2文字をいったん脇にどけておく(引き裂く、引き離す)」という意味だと解釈します。

では、そうやって「引き裂か」れる「寄り添う2人(2文字)」はどれか?

「寄り添って」るんだから、たぶん恋人とか夫婦でしょう。「あなたと私」的な。

「あなた」と「私」。

You and I.

U and I.

というわけで"U"と"I"をいったん脇にどけておきます。な、なんだってー!?


「残されし者」は
KINGD
になります。


次、第3の晩。
第三の晩に、残されし者は誉れ高き我が名を讃えよ。

これはもう一番単純に考えて、金蔵の英名である「ゴールドスミス(Goldsmith)」を文字列に足します。


結果、文字列は
KINGDGOLDSMITH
になります。


次、第4から第8の晩。
これらを解釈するために、人体解剖学の上肢・下肢による分類およびそれよりもう1段階細かい分類によって、
残った文字列に人体の部位を対応させていくと、
K  I  N  G  D  G  O  L  D  S  M  I  T  H
頭 背 胸 腹  肩 上腕 肘 前腕 手 腰  腿  膝 脛  足
となります(「指」は腕と足で重複しているので含めない)。

で、これから「頭」「胸」「腹」「膝」「足」に対応する文字を取り除くと、
IDGOLDSMT
になります。


そして、第9の晩。
第九の晩に、魔女は蘇り、誰も生き残れはしない。

「魔女(witch)」が「蘇る」ので、残った文字列にWITCHを加えると、
IDGOLDSMTWITCH
となります。

そしてその上で、「誰も生き残れない」、すなわち、
「第2の晩で脇にどけておいた2文字を戻した」文字列、
IDGOLDSMTWITCHUI
をすべて使って、アナグラムをやってみると、こんな文章ができます。


GOLD IS WITH DICTUM


dictumは「宣言」や「ことわざ」「格言」「金言」という意味だそうで。

つまり直訳すると「黄金は金言と共にあり」とでもなるんでしょうか。

『うみねこ』世界で「金言」ぽいものと言えば、やっぱり礼拝堂のレリーフに刻まれた文章しかないわけで。



というわけで、結論というか推論。


・「黄金郷」は礼拝堂のレリーフに何らかの操作を施すことによって辿り着ける
・最後に得られた文章が4文節であることから、レリーフに刻まれた英単語を用いて、
「GOLD IS WITH DICTUM」という文章を順次入力していくことで、「4つの宝」に辿り着けるのではないか


・・・・・・・・・・・・

・・・・・・・・・

・・・・・・

・・・うん、まあ、「論理展開が無理やりすぎる」とか「その文章英語として正しいのか」とか、突っ込みどころは盛りだくさんだと思うんですが。

とりあえず、考察の1つということで。なっがい文章のくせに結論に目新しさがなくてすいません。

でもこうやって一応結論(らしきもの)を導き出せると、やっぱり嬉しい。

というわけで以上です。お粗末さまでした。

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Posted by t-sa at 21:24│Comments(2)ゲーム
この記事へのコメント
おぉ…。僕が知っている中では一番綺麗な推理です。
作中に出てくる「故郷」の解釈はミスリードなんじゃないかと疑っていたんですが
だんだんそうじゃない気がしてきました……
Posted by しおん。 at 2009年08月23日 23:27
ありがとう~。そう言ってもらえると書いた甲斐があるw

まあ、ぶっちゃけ作者が後出しじゃんけんで
いくらでも話を変えられると思うので、
「正解」とか気にせずに開き直っていろいろ考えてみようと思う。
Posted by t-sat-sa at 2009年08月24日 08:54
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