2009年08月14日
本日も
実家よりお送りします。
先日の静岡地震の前、つくばもけっこう揺れたそうで。
自宅の本棚(地震対策皆無)が倒壊してないことを祈るばかりです。倒れた先にはパソコンがある気がするし・・・
まあそれはそれとして、最近読んだ本の感想をいくつか。
先日の静岡地震の前、つくばもけっこう揺れたそうで。
自宅の本棚(地震対策皆無)が倒壊してないことを祈るばかりです。倒れた先にはパソコンがある気がするし・・・
まあそれはそれとして、最近読んだ本の感想をいくつか。
『ハンニバル(上)(下)』(2000年 著者:トマス・ハリス 訳:高見浩 新潮社)
予想は裏切られたが、期待は裏切られなかった。まあつまり凄い作品でした。
サスペンスというより、ホラーに近い作品だった気がする。
前2作が「FBI vs 猟奇殺人犯 and それを上から見下ろしているレクター博士」という図式だったのに対し、
『ハンニバル』は「レクター博士 vs 博士への復讐に執念を燃やす男 and その間で右往左往するFBI(というかクラリス)」という形。
お互いにもう「人間」とは呼べないような存在になってしまった悪人たちの常軌を逸したやり合いが、
さも普通のことのように淡々と描かれていくのがいろんな意味で怖い。そして面白い。
ラストもホラーっぽい、混沌とした終わり方で、もうちょっと綺麗にまとめてほしかったなあと思ったりもしたが、
まああれはあれでアリだとは思う。
レクターシリーズはまだ『ハンニバル・ライジング』が残ってるが、今回のでちょっと疲れた。
もうちょっと時間を置いてから読むことにしよう。
『ロコス亭の奇妙な人々』(1995年 著者:フェリペ・アルファウ 訳:青木純子 東京創元社)
なんだか説明しにくい小説だった。
短編集で、タイトル通り奇妙な人々の物語が収められている。のだが、
それぞれの短編の主役が別の短編で脇役として出てきたりすることが頻繁に起こる。
そればかりか、作中の登場人物が自分のことを「物語のキャラクターだ」と認識した上で、
作者に代わってお話を続けたりする。さらには作者まで「自分がこの物語の作者だ」ということを自覚した上で
物語内に登場したりする。
メタフィクションというかメタメタフィクションというか、正直理解しきれたとは思えないんだが、
面白かったのは確か。こういう仕掛けはテキストでしかできないよなあ、と、「小説」の力を改めて感じさせられた。
『鍵のかかった部屋』(1997年 著者:ポール・オースター 訳:柴田元幸 白水社)
美しい妻といくつかの小説・詩を残して失踪した幼馴染を探して、
彷徨を続ける「僕」が主人公の小説。
筋立てはミステリーっぽいし、柴田元幸氏の訳文も非常に明瞭で読みやすい。
なのに意味がわからない。しかし文章に力があるので、なんとなく理解した気になって読んでるとけっこう面白い。
とまあ、どこがどう面白いのか具体的に説明できない自分に絶望しつつも、凄い小説だったなあ、と。
たぶん、村上春樹が好きな人なら気に入るだろうし、嫌いな人は絶対に合わないだろうと思う(最初からこう書いておけば良かったw)。
予想は裏切られたが、期待は裏切られなかった。まあつまり凄い作品でした。
サスペンスというより、ホラーに近い作品だった気がする。
前2作が「FBI vs 猟奇殺人犯 and それを上から見下ろしているレクター博士」という図式だったのに対し、
『ハンニバル』は「レクター博士 vs 博士への復讐に執念を燃やす男 and その間で右往左往するFBI(というかクラリス)」という形。
お互いにもう「人間」とは呼べないような存在になってしまった悪人たちの常軌を逸したやり合いが、
さも普通のことのように淡々と描かれていくのがいろんな意味で怖い。そして面白い。
ラストもホラーっぽい、混沌とした終わり方で、もうちょっと綺麗にまとめてほしかったなあと思ったりもしたが、
まああれはあれでアリだとは思う。
レクターシリーズはまだ『ハンニバル・ライジング』が残ってるが、今回のでちょっと疲れた。
もうちょっと時間を置いてから読むことにしよう。
『ロコス亭の奇妙な人々』(1995年 著者:フェリペ・アルファウ 訳:青木純子 東京創元社)
なんだか説明しにくい小説だった。
短編集で、タイトル通り奇妙な人々の物語が収められている。のだが、
それぞれの短編の主役が別の短編で脇役として出てきたりすることが頻繁に起こる。
そればかりか、作中の登場人物が自分のことを「物語のキャラクターだ」と認識した上で、
作者に代わってお話を続けたりする。さらには作者まで「自分がこの物語の作者だ」ということを自覚した上で
物語内に登場したりする。
メタフィクションというかメタメタフィクションというか、正直理解しきれたとは思えないんだが、
面白かったのは確か。こういう仕掛けはテキストでしかできないよなあ、と、「小説」の力を改めて感じさせられた。
『鍵のかかった部屋』(1997年 著者:ポール・オースター 訳:柴田元幸 白水社)
美しい妻といくつかの小説・詩を残して失踪した幼馴染を探して、
彷徨を続ける「僕」が主人公の小説。
筋立てはミステリーっぽいし、柴田元幸氏の訳文も非常に明瞭で読みやすい。
なのに意味がわからない。しかし文章に力があるので、なんとなく理解した気になって読んでるとけっこう面白い。
とまあ、どこがどう面白いのか具体的に説明できない自分に絶望しつつも、凄い小説だったなあ、と。
たぶん、村上春樹が好きな人なら気に入るだろうし、嫌いな人は絶対に合わないだろうと思う(最初からこう書いておけば良かったw)。
Posted by t-sa at 14:46│Comments(0)│読書
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