2009年07月22日

マルサの女

閑(しずか)さや 岩にしみ入 蝉の声


とは芭蕉の句ですが。


しみ入らねーよ! 反響してよけい暑苦しいわ!

まったく芭蕉も適当なことばっかり言いよってからに。
(※歌壇への挑戦とかではないです)


というわけで今日の映画感想文。

『マルサの女』(1987年 監督:伊丹十三 主演:宮本信子、山崎努)
マルサの女
港町税務署に勤める敏腕調査官・板倉亮子。プロ意識をもって、情を挟まず、正確に税金を取り立てることを誇りにする彼女は、ある雨の日、雨宿りに駆け込んだラブホテルの駐車場の様子をきっかけに、そのホテルの経営者・権藤が巨額の脱税をしていることを見抜く。上司の許可を得て、単身、権藤のもとに乗り込んだ亮子は、しかし巧みな権藤の脱税工作と、権藤と懇意にしているヤクザの脅しにより、手を引くことを余儀なくされる。その数ヶ月後。今までの功績が認められ、亮子は国税局査察部、通称「マルサ」へと栄転し、再び権藤と対決する機会を得る・・・
『お葬式』が非常に面白かったので、
他に聞いたことのある伊丹十三作品を観ようと思い借りてきた1本。

僕は純粋にエンターテインメントとして楽しんだけど、
実際に働いて税金納めてる社会人の皆様からすると、
もっと笑えて(あるいは笑えなくて)共感できる作品なのかな、と感じた。

見た目はパッとしないが、粘り強さと女性ならではの直感で脱税を摘発する亮子。
そしてやっぱり外見はひょろっとしてるが、強かさと逞しさを併せ持った権藤。

この2人を演じる宮本信子と山崎努の、
一見和やかなようでいて、
大人の男女の関係(実際に見たことはない)を感じさせつつ、
お互いに腹の内を探り合ってる緊迫した会話が非常に良かった。
まあ現実にあんな会話をしたら、胃が痛くなりそうだけど。

チョイ役で伊東四郎が出てたり、津川雅彦がめちゃ若かったり、
やっぱり大滝秀治は飛び道具だよなあと思ったりと、
役者陣も今考えると物凄い豪華なメンツで、それだけである意味満足。

もちろんストーリーも良く出来てたんだけど、ただ、1点だけ納得できない所が(ネタバレにつき一部伏字)。
作中で、権藤が愛人に実際の売上高を記した帳簿(表?)を破って捨てさせてたけど、
そんなことするくらいなら燃やせよ
と思ったんだが。

恥ずかしながら税金のことをまったく知らないので、見当違いな疑問なのかもしれないが、なんで?
万が一バレると罪が重くなるとか?
それとも、愛人に帳簿を捨てさせることで脱税の共犯者にして、自分を裏切らないようにするためとか?

ストーリー展開のキーになる部分だけに、そこが説明されてないのが気にかかった。見落としたのかな。

それ以外では、『お葬式』と同じく、税金にまつわる雑学やら、
脱税のテクニック(さすがに一部ぼかされてたが)やらが満載で、非常に面白かった。

友人のs_waseによると、伊丹十三の『~の女』シリーズはどれも面白いらしい。

これは、伊丹十三祭り発動か・・・?

同じカテゴリー(映画)の記事画像
ステイ,ロックンローラ
ブラインドネス
ブリッジ
インタビュー・ウィズ・ヴァンパイア
アナザーエフェクト 11:59
アイアンマン
同じカテゴリー(映画)の記事
 シャーロック・ホームズ予告編 (2009-08-28 10:31)
 ステイ,ロックンローラ (2009-08-27 20:21)
 ブラインドネス (2009-08-20 00:10)
 ブリッジ (2009-07-28 01:38)
 インタビュー・ウィズ・ヴァンパイア (2009-07-17 14:56)
 アナザーエフェクト 11:59 (2009-07-14 21:15)
Posted by t-sa at 23:09│Comments(2)映画
この記事へのコメント
詳しいことや分からないことは、某羊さんに解説してもらおう。
Posted by s_wase at 2009年07月23日 14:54
ググレカス、とか言われたら立ち直れません。
Posted by t-sat-sa at 2009年07月23日 22:26
コメントフォーム
上の画像に書かれている文字を入力して下さい
<ご注意>
書き込まれた内容は公開され、ブログの持ち主だけが削除できます。
たいさの最近観たビデオ
QRコード
QRCODE
アクセスカウンタ
読者登録
メールアドレスを入力して登録する事で、このブログの新着エントリーをメールでお届けいたします。解除は→こちら
現在の読者数 0人
プロフィール
t-sa